若武者〜プロレスサミットへの道〜新木場大会観戦記

入場式

第一試合登場選手から順に全選手入場。知らない選手が多いのでこういう顔見世が
あるといいですね。

第一試合

○大橋篤(大日本プロレス:11ヶ月)

(逆エビ固め → ギブアップ)

×関根龍一(KAIENTAI-DOJO:3ヶ月)

K-DOJOの関根選手。序盤のグラウンドの丁寧さはK-DOJO出身なんでモチロンですが、
デビュー間もないのにレガースを履いてるっていうだけでドキドキさせられるのは
K-DOJOを多少は見ているから?
大日の大橋選手。ドロップキックの当て勘が以前に見た時よりもよくなってました。
あまりバネのある選手ではないんですが、縮こめた足を伸ばすことにより滞空時間が
長く見え、見栄えの工夫をしているのが好感触。
キャリアが短いながら、体格の優位を活かし攻める関根選手でしたが、座らせた大橋への
キックの当たりが浅かったのが残念。これを凌いだ大橋はミサイルキックをきっかけに
ジャーマンとたたみかけ、最後は逆エビ固めでギブアップ。

第二試合

×天狗たけし(レッスルゲート:4年)

(バックドロップ → 片エビ固め)

○スパーク青木(El Dorado:4年8ヶ月)

入場式に天狗のお面をつけて登場した天狗たけし。入場時も天狗面を着用。
コーナーに上がってのアピールまでキャラの完成度が伺えた瞬間でした。
コーナーに戻って天狗面を外した時はちょっと残念。顔は隈取っぽいペイント。
対するスパーク青木。入場口登場からスパークポーズでリングイン
試合は相変わらずのスパーク。
細身で長身なのに動きがもっさりというスパークスタイルのためか、天狗の動きのキレが
よく分かる。側転からロープを返ってのフラッシングエルボーなど、随所におぉ!と
思わせる動き。
スパークはキックを封印したのは良かったですが、得意のダブルアームが雑だったのが
残念。天狗の足攻めによれよれになりながらも長身から繰り出す投げ技で優位に立った
スパークが急角度のバックドロップで3カウント。

第三試合

×矢野啓太バトラーツ:2ヶ月)、小坂井寛(MAKEHEN:1年半)

(五輪スラム → 体固め)

竹田誠志(E-STYLE:3ヶ月)、タダスケ大阪プロレス:1年)

すごいすごいと噂されていた矢野選手を初めて見ましたが、本当に凄かった。
するすると動いたかと思えばたちまち関節に捕らえ、返されても動きが止まらない。
いやぁ、この技術は見る価値のあるものですよ。観客の目をすっかり虜にして
放しませんでした。ビクトル式の飛びつき回転エビからのゆりかもめとか、本当に
見ごたえのある選手でした。
タダスケ選手はちょっと小さい宮本和志的な選手かと思ったら、攻めも受けも意外や
丁寧で、見かけで判断してゴメンナサイ。
オレオレなプロレスだったのが小坂井選手。今日が試合展開でたまたまだったのかも
しれませんが他の3人の熱に乗り切れず、単にリングに入って蹴って戻って、っていう
だけの印象。
最後は途中までわりと冷静な感じに見えていた矢野選手と竹田選手がガツガツとした
打ち合いから、竹田選手がライトニングスパイラル気味に捻って落とす五輪スラム3連発で
3カウント。
試合後も熱くなった二人が納まらずにそのまま乱闘。セコンド総出で割って入ってました。
それくらいじゃなくっちゃね!

第四試合

×入江茂弘でら名古屋プロレス:デビュー戦)

(キャメルクラッチ → ギブアップ)

○高西翔太(ZERO-1 MAX:2年3ヶ月)

今日がデビュー戦だった入江選手。ロックアップからそのままコーナーに押し込み
チョップの連打など、デビュー戦の緊張を感じさせない立ち上がり。
エルボーも体重が乗った重い一撃で、高西選手をふらつかせ上々の立ち上がりでしたが、
受けにまわると脆さを見せ、高西が丁寧に反撃。
入江が立ち上がるまでの時間が徐々に長くなるものの、それでも攻める姿勢を失わず
チョップ、エルボーを打っていく入江に観客の声援が集まる。
受けて立つ高西もエルボー、ストンピング、ボディースラムと派手な技を使うわけでなく、
入江の全てを受け止める。
終盤ふらふらになりながらも高西にタックルというかぶちかましを決めた入江。
高西の足をクロスしてのアンクルホールドをリング中央で決め必死に絞り上げるも高西が
意地のロープブレイク。
決めに行った逆エビをブレイクした入江を中央に持ってくると今度はキャメルクラッチ
がっちりと反り上げギブアップ。
入江選手の頑張りと高西選手の真正面から受け止める懐の深さをみた好試合でした。

第五試合

駿河一(全日本プロレス:3ヶ月)、×石川晋也(大日本プロレス:1ヶ月)

(逆エビ固め → ギブアップ)

○豪(El Dorado:1年3ヶ月)、小部卓真(IWAジャパン:1年1ヶ月)

駿河選手と石川選手がともにでかくて身体が綺麗に締まっててかっこ良く、見た目から
すでに印象的。豪選手や小部選手もきちんと鍛えてますって身体をしているんですが、
特に駿河選手の身体はかっこよかったなぁ。
で、ゴング。
なんと後輩組が先輩の小部を早いタッチワークで圧倒。
特に駿河はグラウンドも手足の長い身体で丁寧に動くもんだからかっこいいったら
ありゃしない。石川もキャリア一ヶ月とは思えない動きをしてましたが、グラウンドは
駿河の方がまだ若干上かな。
でかい身体で密なグラウンドって実に武藤社長好みな気がする。
しかもこの駿河、バネもよくってビックリ。でもドロップキックのフォームは石川の方が
綺麗だったかな。
とにかく3ヶ月と1ヶ月とは思えない動きと勘のよさを見せた新人組に観客の声援が集中。
特に石川選手は前に向かう姿勢と表情がよく、観客の石川コールを発生させるほど。
しかし、意地を見せたい先輩組も小部が必死の反撃から豪へ繋ぐと、豪が鬱憤を爆発させる
かの様な一気の攻めでひっくり返す。変形のフィッシャーマンバスターで追い詰めるが
石川の必死のエルボー連打で反撃。しかしこれを受けきった豪が強烈無比な投げっぱなしの
パワーボムで石川をマットまさに叩きつけ、誰にもこれで決まりと思わせたがこれを石川が
なんとキックアウト!
湧き上がる観客席でしたが、豪がふらふら石川をがっちり抱え込んでの逆エビ固めで何とか
振り切りに成功。
試合後も納得行かない石川が豪に食って掛かるも軽くいなして見せた豪。
ちょっとした先輩の意地か。

第六試合

原田大輔大阪プロレス:1年8ヶ月)、安部行洋(DDT:8ヶ月)

ジャーマンスープレックスホールド)

小幡優作アパッチプロレス軍:3年)、×清水義泰(みちのくプロレス:10ヶ月)

第五試合の盛り上がりでちょっと割を食った序盤でしたが、落ち着いたグラウンドの
展開の中目を引いたのが、団体の先輩である気仙沼二郎を一回り小さくしたような身体に
ショートパンツが人目をひく清水選手。
原田選手に捕らえられているにもかかわらず、常に身体を先に動かし攻めているはずの
原田を誘導してみせるコントロール力を見せる。ふえぇ〜。
豆タンクみたいな体型で必死に受け、必死に攻める清水の泥臭いファイトに徐々に
釘付けになり今日2度目の名前コールを生み出したのはこの清水。
終盤の原田との間に見せた張り手の打ち合いには観客が声援で必死の後押しでしたが、
これを制した原田、フィッシャーマンバスターからのジャーマンがやや崩れながらも
ホールドを保ち3カウント。
メンバー的に一つ頭が抜けてる小幡選手がもっとバーンと前に出る試合になるかと
思いきや、全く目立てず。チャンスを活かせなかった感じは否めず。

感想

もっと、技術も何も無いけど気合だけで何とか、みたいな空まわった試合が多いのかと
思っていましたが、いい意味で裏切られ、どの選手もそのキャリアとは思えない動きと
工夫と対応力を見せビックリさせられました。
どこの団体も新人育成に力を注ぎ、それがきちんと実を結んでいるのがよく分かりました。
大阪プロレスタダスケ、原田の両選手がわりと似たような体型で、どちらもパワーを
前面に押し出しているように見せつつも、実は案外きっちりって言うのが、団体の指向性
なのか、ちょっと面白いなぁと思いました。
でも、150人強のお客さんしかこれを見てないのはもったい。